"How People use Presentation to Search for a Link:
Expanding the Understanding of Accessibility
on the Web"
Caroline Jay他

村岡雅子 (masacom @ twcu.ac.jp)

東京女子大学現代文化研究科

2006年6月17日
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東京女子大学 村岡雅子
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  1. ABSTRACT
  2. INTRODUCTION
  3. METHODOLOGY
  4. RESULTS
  5. DISCUSS

ABSTRACT

著者
Caroline Jay, Robert Stevens, Mashhuda Glencross and Alan Chalmers
タイトル
How People use Presentation to Search for a Link: Expanding the Understanding of Accessibility on the Web

目の見えるユーザがリンクを探すために、BBC Newsのウェブページのプレゼンテーションをどのように使うのかを調査。最後に、この研究から導き出されたモデルを提案する。

INTRODUCTION - 視覚障害者の出会う問題

小さな画面でウェブページを閲覧するとき、重度の視覚障害者が出会う問題を調査している。

  1. スタンダードなプレゼンテーションで、使用を難しくしているのは何ですか?
  2. スタンダードなプレゼンテーションで、不足していることと取り替えてほしいことは何ですか?

視覚障害者はふつう、JAWSのようなスクリーンリーダを使う。スクリーンリーダは立派なコントロールを持っていて、ページのすべてのパーツにアクセス可能のように思える。では、問題は何だろうか?

INTRODUCTION - 実験について

視線追跡研究を通して、タスクを遂行するために読み手がどのようにウェブページのプレゼンテーションを使うのかを実験。
同じページのテキストバージョンのプレゼンテーションがどのように使われるのか、と比較した。

この研究から、ナビゲーションとオリエンテーションの間、人はページのプレゼンテーションをどのように使うのかを知ることができる。

METHODOLOGY - 設備

SONY VAIO VGN-FS315S(ラップトップ)を用いた。(図2)
刺激はSONY VAIO SDM-HS75Pのモニターで表示され、モニターの土台に置かれたTobii x50 Eye Trackerが被験者の注視を追った。
眼球運動とイベントデータを記録し解析するために、Tobii ClearView Analysisソフトウェアが使われた。

METHODOLOGY - 計画

課題
被験者がBBC News Manchesterのウェブページでリンクを探す。

被験者の半分は、スタンダードバージョンのBBC Manchesterウェブページ(図1a)でリンクを探し、リンクはテキストバージョンの中国のコミュニティの話のぺージにつながっている。
残りの被験者は、テキストバージョンのページ(図1b)でリンクを探し、リンクはスタンダードバージョンの中国のコミュニティの話のページにつながっている。

実験の終わりに、BBCのウェブサイトを週に1度以上使うか、スタンダードバージョンとテキストバージョンのページではどちらがより簡単に見つけられたかを被験者に聞いている。

METHODOLOGY - 被験者と手順

17-50歳の、正常視力または矯正視力18人が被験者として参加。

手順の説明の後、5分ほどの実験を行った。

被験者はモニターから50cmのところに座り、較正手順を行った。
BBC Manchesterか中国コミュニティのリンクのどちらかを探すよう言われる。
探索を始め、マウスでその上を覆うことにより、リンクを見つけたと知らせた。
被験者はそれからページの代替バージョンで他のリンクを探した。

RESULTS - 凝視

被験者のウェブページ上での注視位置を記録した。凝視(凝視は、情報を処理するために刺激のどこかで100msec以上止まっている場所)の数、その場所、その順番、平均持続時間を算出するため、ClearView analysisソフトウェアを使った。

図3と図4は、スタンダードバージョンとテキストバージョンのページそれぞれで最も凝視を受けたエリアを示している(赤=9以上の凝視、緑=4以上、グレイ=0)

RESULTS - リンクを探すプロセス

2人の被験者がスタンダードページでリンクを探すプロセス(図5)と同じ2人がテキストバージョンで他のリンクを探しているところ(図6)

RESULTS - 分析

2要因の分散分析(ページ×リンク)

被験者が探しているリンクに関係なく、スタンダードサイトよりもテキストサイトで、より多くの凝視をしている。(F1,32=2.183, p<0.005)

しかし、凝視の持続時間は、スタンダードページで長くなっており(F1,32=0.208, p<0.005)、テキストページよりも、スタンダードページの凝視でより多くの認知処理が生じていた(図9参照)。

DISCUSSION - 現在の状況

現在のオーディオレンダリングは、ビジュアルモードで可能なフォーマットやプレゼンテーションが不足している。この情報をいくらか加えることもできるかもしれないが、これまでのところそれはあまり生かされていない。

DISCUSSION - 眼球運動

2つの眼球運動の違い

推測としては、見えるユーザはタスクを達成するためにページのフォーマットを使うことができるということと、長めの注視持続時間は、方向付けとナビゲーションを決めた結果だということ。

DISCUSSION - 問題

視覚に障害のあるユーザにとって、ウェブページのテキストバージョンは情報を利用可能なものとするが、見えるユーザに与えられるフォーマットされたプレゼンテーションなしに情報を使うことは難しい。

問題は、視覚に障害のあるユーザがプレゼンテーションによって与えられる機能を、どうやって取り替えるかということ。
理想をいえば、タスクを遂行できるような情報によって、ページのオブジェクトが読み手をガイドすることだ。

DISCUSSION - 今後

この調査のデータは、トランスコードを促進するメカニズムを提供できるだろうか?

目標は、ナビゲーションと方向付けにどのようにプレゼンテーションが使われているかのモデルを作ることができるか知ることである。