人間科学概論IIB:進化するコンピュータの例

2015年10月27日 16:11
渡辺隆行
http://www.univ-web.org/nabe/lec/HSintroIIB/

目次


進化するコンピュータの例(2012-2015)

以下,主に2012年と2013年に気づいたニュースをまとめました.2014年度は研究休暇だったので2年ぶりにこの授業をするのですが,この2年間の間にロボットや人工知能に関するニュースがとても多くなりました(最新の話題はYouTubeやEvernoteにクリップしてあります.).

コンピュータとの音声対話

AppleがiOS向けにSiri(Speech Interpretation and Recognition Interface)を搭載してから,人間がスマートフォンに音声で質問し,スマホが音声で答えることが当たり前のようになってきました.NTTドコモも「しゃべってコンシェル」で同様の機能を提供しています.Android(Google)も音声検索ができます.

スマホが人間の発話を認識し,(クラウド上のサーバで)自然言語処理技術を用いて質問の内容を解析し,(クラウド上のデータベースを用いて)質問に対する回答を用意し,スマホがそれを音声合成して喋る,という技術の組み合わせにより,まるでスマホと音声対話しているように思えませんか?

音声でコンピュータに指示できると,コンピュータの前に座る必要がないだけでなく,メニューをたどったり設定を探したりしなくても一発でコンピュータに指示できることにも気づきましたか?

しゃべってコンシェル,Siri

Appleの"Siri"もNTTドコモの「しゃべってコンシェル」もGoogleの音声検索はますます進化しているようです.僕も試してみましたが,結構便利で面白かったです.

人工知能

人工無能

SiriやWatosonはコンピュータに知性を感じさせてくれます.でも,その能力にはまだ大きな限界があることも分かります.Siriが回答できる分野や質問パターンには限りがあるし,Watosonは特定のクイズ番組に最適化されて設計されていて膨大なコンピュータが背後で動いています.人工知能ならぬ人工無脳と呼ばれるシステムがあります.とても単純な応答しかしないのに人間はそこに知性を感じてしまうのはなぜでしょうか.

クイズ王ワトソン

IBMが作った質問応答システム「Watson」を知っていますか.Watsonは米国で人気のクイズ番組に人間に混じって参加し,人間を負かしました.Watsonは,クイズ番組で出題される様々なそして曖昧な質問を,洗練された自然言語処理技術を用いて解析し,言外の意味をも(過去の出題文のパターンを利用して)類推して,既存情報から学習した知識を用いて正解と思われる回答を推測し,確信がある場合だけ音声で回答します.Watsonのこのような情報処理は,データベースから答えを探し出すSiriよりも人間の知能に近いと思いませんか?

IBM to Announce More Powerful Watson via the Internet

2015年にはWatsonは一般用途にも利用されています.

未来のコンピュータ

SF映画では未来のコンピュータが色々な形で描かれていますが,もっと近い未来,数年後に可能になるかもしれない技術を各社が公開しています.

近未来のコンピュータ(一部は既に)は,Robot,Ubiquitous Computing,AR(Augumented Reality)として人間の世界に浸透していきそうな気がしませんか?

AR(拡張現実):現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを指す言葉。(Wikipedia)

ロボットの話題

コンピュータの進化を考えると,ロボットと人間の関係が気になってきます.ホンダのアシモが何年か前に話題になりましたが,以下の話題を見つけたので紹介します.

ロボットとの非言語コミュニケーション

人間同士のコミュニケーションは音声だけで行われているわけではありません.人間は,表情や身振りや声の調子からも色々な情報を見いだしています.

人と人とのコミュニケーションにおける「うなずき」に注目し,それをロボットに実装した研究を紹介します:「となりの研究室訪問記/岡山県立大学 情報工学部 情報システム工学科 渡辺研究室:コミュニケーションにおける身体とロボット」「うなずき君」

HMD (Head Mount Discplay)

メガネをディスプレイとして使うHMDは既に製品化されています.2012年はデモビデオとして紹介したGoogleの研究開発プロジェクトであるProject Glass(ヘッドマウントディスプレイHMD方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータ)が2013年度にはGoogle Glassとして立ち上がり,早期テスターが使用できるようになりました.(その後,個人向けのGoogle Glassは閉鎖され,仕事用の「Glass at Work」が継続されています.)

2015年にはSONYやEPSONがHMDを製品化しています.

ジェスチャー入力

MicrosoftのXboxにはKinectというセンサーが付いてきますが,MicsorsoftはKinectだけを別売りしています.Kinectは2万円以下の安価な値段ですが,(2人までの)人間のジェスチャー(主な関節の動きや奥行き)を認識したり音声認識をしたりする高機能なセンサーです.これを用いれば,身振り(ジェスチャー)だけでコンピュータやテレビを操作出来るようになります.Kinect EffectというWebサイトでは,Kinectの色々な利用方法が紹介されています.自閉症のこども用のプログラムや車椅子利用者の買い物にも利用できることに驚きませんか?

最近(2014年1月),PCに組み込むことができる安価な装置が登場して話題になっていますね.

触覚ディスプレイ

空中超音波触覚ディスプレイなど.


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