Fire Vox
このページは,Fire Vox(Firefoxの拡張機能として動作するブラウザ音声化ツール)の情報と,Fire Voxを利用したWebの読み上げ方法についてまとめます.また,Fire Voxを用いたARIAのテストについて述べたページと,GoogleのAxsJAX projectについてまとめたページにもリンクしています.
Fire Voxのインストール
Webで検索すると.本家のFire Voxの他にも,メッセージなどを日本語化したパッケージを作ってくれている人もいますが,ARIAへの対応が進んでいるのは最新版(特に3.4以降)なので,日本語化したパッケージをインストールしようとする人はバージョンにご注意ください.以下は.本家のFire Voxで説明します.
- もし未だFirefoxを使っていない人は,Firefoxをダウンロード&インストールする.
- Fire Voxのサイトから,CLC-4 TTS Suite with Fire Vox (xpiファイル)をダウンロードする.(左記リンクは2007年11月現在の最新版.ダウンロードする時期によっては新しいバージョンがあるかも知れないので,ダウンロードページをチェックすべし.)
- Firefoxの「ファイル」メニューから,「ファイルを開く」で,さきほどダウンロードした xpi ファイルを開く.すると,アドオンのインストール画面になるので,インストールする.
- 3つのアドオンがインストールされるはず.インストールが完了したら,Firefoxを再起動する.
- Firefoxを再起動すると,Fire Voxが英語で喋っているのが分かると思う.
次に,Fire Vixを日本語の音声エンジンで喋らせるように設定する.(以下の情報はWindows XPに特化しています.Vistaは持っていないのでよくわかりませんが,多分同じ要領で良いと思います.Mac OS XでもFire Voxは使えますが,Fire Voxに対応した日本語音声合成エンジンがありません.Linuxの場合は,一手間かければ,日本語音声合成エンジンを入手できると思われますが,詳細は省略します.)
- Fire Voxは,SAPI 5版の音声合成エンジンにしか対応していません.つまり,ProTalkerなどは使えません. 一昔前までは,Microsoftのサイトで,MS agentに使うSAPI5対応の日本語エンジンを配布していたのですが,今はありません.以下のいずれかの方法で.各自で音声合成エンジンを入手してください.
- Office 2002,2003,XPに含まれているエンジン(LH KenjiとLH Naoko)をインストールする.Officeを使っている人は,既にインストール済みかもしれません(後で述べる方法で確認すること.)未だインストールされていない場合,Windowsの「コントロールパネル」,「プログラムの追加と削除」で,「MS Office」を探して,「変更」をクリックする.Excelのアドオンとして,Excel読み上げツールがあるので,それをインストールする.(音質は悪いが日本語を喋ります.)
- クリエートシステム株式会社がSAPI5に対応したドキュメントトーカを販売しています.Vectorで税込み5040円でダウンロード購入することも可能.
- スクリーンリーダであるxpNavoにも,SAPI5に対応した高性能の音声合成エンジンが付いてきます.
- これ以外にも,商用のものがあると思います.
- 日本語音声合成をパソコンにインストールできたら,「コントロールパネル」,「音声認識」を開いて,「音声合成」タブの「音声の選択」で,日本語の声を選択する.(音声の選択画面に日本語の声が出てこなかったら,あなたのPCには,未だSAPI5版の日本語音声合成がインストールされていない事を示します.) ついでに,再生速度もここで設定.ただし,Fire Voxは日本語と英語の両方を喋るので,もっさりした日本語の音声合成エンジンに合わせて速度を速くすると,英語の音声合成が読み上げた場合,早すぎて聞き取れなくなることに注意.
- Fire Voxが日本語を読み上げたら成功.うんともすんとも言わない場合は,Firefoxの「ツール」メニュー.「Fire Vox TTS Selection」で,「Use SAAPI5」にチェックが付いていることを確認.どうあがいてもチェックをつけることが出来なかったら,一度Fire VoxをFirefoxからアンインストールして,もういちどインストールし直してみると復活するかも.
Fire Voxの使い方
Fire Voxのサイトに使用法が詳しく説明されていますので,簡単にまとめます.
まず,Ctl+Shift が,Fire Vox操作のプレフィクスキーとなります.つまり,自動読み上げなら,Ctrl + Shift + A を同時に押すわけです.(キーの組み合わせを変更する方法は後述します.)
- A:現在位置から自動読み上げ
- C:読み上げ停止
- F:次のchunkを読み上げ
- D:前のchunkを読み上げ
- P:カーソル位置の要素を読み上げ
- E:最後に読んだchunkをもう一度読み上げ(実装中)
- O:選択中のテキストを読み上げ
- Q:現在のオブジェクトの詳細情報(テーブル中では見出しセルと関連づけるなどして詳しく読む)
- S:スペルアウト(実装中)
- H:見出し要素のリストを表示
- L:要素のリストを表示(見出し要素,リンク,画像,フォーム要素,アクセスキー,フレーム)
- M:Fire Voxのオプションを表示
- U:親要素を読み上げ
- Y:Live Region通知方法の切り替え
- カーソルキー:コンテキストに応じた制御
残念ながら,Ctrl + Shift と上記のキーの組み合わせは,Web Developerなどの他のアドオンやFirefoxのデフォルトのショートカットとぶつかる場合が多いので,どちらかを変更する必要があります.Fire Voxを変更する場合は,Firefoxの「ツール」メニューの「Fire Vox Options (O)」で変更します.プレフィックスキーと組み合わさる個々のキーを変更することも出来るし,Pause/Breakキーを使って,Ctrl+Shiftが他のショートカットとぶつからないように回避することも出来ます.
Fire Voxのオプションでは,これ以外にも色々設定できるので,Fire Voxのサイトにある使用法を読んでみてください.Fire Voxのチュートリアルもあります.(全部英語だけど) Fire Voxの高機能なことに驚かされます.Fire Vox,恐るべし.
なお,Fire Voxを使っていて困るのが,Fire VoxをOFFに出来ないことです.
Fire Voxの優れた機能
Fire Voxが優れていると思うのは以下のところです.
- 無料(オープンソース?)である
- 晴眼者が音声ブラウザの体験をするのに適している.なぜなら,音声合成エンジン以外は無料,インストールは簡単,読み上げ箇所がハイライトされるので,わかりやすい.コマンドが少ないので操作を覚えやすい.
- Firefoxそのものを音声化しているので,Ajaxなサイトに対応しやすい.これは,JAWSなどのスクリーンリーダとも,ホームページ・リーダーなどの音声ブラウザとも異なる点であり,普通のブラウザが自発的に喋る(Self-voicing browser)という点で画期的である.
- WAI-ARIAのLive Regionの仕様に対応している.
- AxsJAX project の実装がFire Voxで進められている。
- 比較的,動作が軽い.また,かなり安定して動く.
- CSS3のSpeech Moduleに対応している.
- MathyMLに対応している.
- 要素の言語に応じて,音声合成のエンジンを切り替えて読み上げることが出来る.
- 開発者のChenはGoogleに移って,Ramanと一緒に仕事をしているので,今後に期待できる.